夜の朝顔作者: 豊島ミホ出版社/メーカー: 集英社発売日: 2006/04/26メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (54件) を見る

あまり本を読む気分でないときでも読み始めるとずるずると読んでしまうのは
豊島ミホが自分と同じような青春時代をすごしてきたからだと思う。
なんだろう。かすかな不安が残るような日々。


学校という空間の中で「劣等性」だった感覚。有象無象の中に放り込まれ無駄としか思えない時間を過ごした9年間。一日に5回6回と繰り返される、苦痛でしかない45分。
起きるのが苦痛なのは、朝が苦手だからではなくて学校に行きたくないから。サザエさんを見てひやりとするのは明日からまた同じ一週間が始まるから。


楽しい記憶が残るのは夏休みと冬休みと春休み。新学期が近づくとともに強迫観念に囚われはじめる。ゲームボーイをしていて、ふと襲う恐怖感。「こんなつまらない毎日が一生続くんだろうか」


片道25分の登下校。やらなきゃいけない宿題たち。前の日に済ませておかない時間割。忘れ物をしたときのあの焦り。


子供の頃ってなんであんなにつまらなかったんだろう。何もかも自由にならない、全て周りに左右されて生かされる。中学校なんて、半分は意地で通っていたようなものだ。

なんて面倒くさいんだ、というのがそのときの私の本音だった。せっかく学校の外に友達を見つけたと思ったのに、結局、クラスの中と同じように、人間関係のごたつきの中で上手くバランスをいかなくちゃならないらしい。

学生のときはこんなことばかり。会社なら辞められるけど、学校は辞められない。1年に1回のリセット。それで全て。


大人は自由。自分のしたいようにすればいい。


あー、梅雨時期はいちいち昔のことが頭をかすめる。
今日、帰りに外に出たら何故か大学生らしき人が沢山たまっていた。学生達がなんだか、怖く感じた。 もう、あの中に戻りたくないな。