去る

ただでさえ年度末の忙しい今時期、仕事上でも職場がバタバタしているのに、私の送別会をしてくれた。正直無いものだと思ってたのだけれど、昨日突然「明日大丈夫?」と。
普段、居酒屋で打ち上げをやるのに、お酒が苦手な私のために、ナイフとフォークのお洒落なイタリアンのお店。照明は落としてあって、ジャズの生演奏まであるようなお店だった。最後には「おつかれさま」と書かれたケーキまで。いい歳なので泣きはしなかったけれど、帰りは熱を冷やすために30分歩いて帰ってきた。いや、想いに浸るためかな。生まれてはじめての「円満退社」で、後ろ髪ひかれるような思い。
「本当にありがとう」と何度も改まって言われた。決してやりがいのある職場ではなかったし、手持ち無沙汰で、周りに取り残されているような焦りも感じるような、おっとりとした職場だったけれど、それでも3年以上も勤め続けられたのは、みんなのおかげだった。私が失敗しても責めることも、焦らすこともせず見守ってくれる人たちだったから。冷却期間が長すぎて、みんなのことも職場のことも大好きだったことを忘れていた。近くを通るたび職場のビルを見上げて誇らしく思ったものだった。
仕事が落ち着いたら、職場全体で打ち上げをしようと言ってくれた。「さよならじゃなくて、また、ね」と。至らない私でしたが、本当にお世話になりました。あと二日、お世話になります。