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- 作者: 中村航
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2007/09
- メディア: 単行本
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同時収録の「ハミングライフ」も素敵なお話だった。まだ恋ははじまらない、なんて。
愉快な時間は、すぐに終わってしまう。吉田君は少し悲しくなった。悲しいのを悟られないようにしながら、財布から四千円を取り出す。(中略)多分こういうときのために笑顔があるのだ。舞子さんの笑顔を反芻しながら、吉田君は良い気分で部屋に戻った。
別れ際って大事よね。別れ際の仕草を思い出して次に会うまでに気持ちを膨らませるものだものね。
世界は愉快で平和であってほしい(中略)考えてみればそのために、まず一番にすべきことは『感じよく振る舞う』ことだった。他人に対して、世界に対して、感じよく振る舞う。そのことは正の連鎖しか生みださない。それは世界三大美徳の一つに入るぐらい、尊いことだと思う。
うーん。痛いところを突かれた。心がけたい気持ちはあるけど難しい。自分を戒めたいと思います。
舞子さんは吉田君に興味を持ってくれた。だけど吉田君は、ちゃんと舞子さんに好意を表現してこなかった。慎重に、油断せず、安全な位置で、安全な発言を繰り返してきただけだった。自分の大切なものや、分けあいたいと願うものを、伝えようとはしていない。そんなことで何かがうまくいくわけはなかった。
私も恋愛に関してはそういうところあるのだよ。気持ちを気づかれないように、でも気づかれるような微妙な位置で、安全なところで止まって。かといって大事なことは伝えようとせず。年々一人で過ごすのが心地よくなっていくよ。*1まーずーいー。
*1:友人と約束するのが面倒な上、最近は恋人と会うのすら面倒なときがある