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- 作者: 本谷有希子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/07/28
- メディア: 単行本
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物凄くザラザラした精神と、グラグラする不安定感。それに加え酷く我侭で。この主人公は本当にうつ病なの?正直これは単純に、精神が不安定といだけでうつ病ではない気がする。強いて言うなら『擬態うつ病』ってやつじゃないか。
実際本文に「鬱」という言葉は出てくるけど「うつ病」とは出てこない。だけど知識の無い人が読んでしまったら「鬱=うつ病」になってしまうわけだし、かなりの誤解を生むと思う。躁になったり鬱になったりという文章があったから一応「躁うつ病」なんだろう。きっと。過眠症とは書いてあっても薬やら病院はかかってなさそうだし・・・。
でもね、これを読んで「うつ病の人はこんな感じなのか」と勘違いされたら凄く困る。
「自分は頭がおかしい」とうつ病の当人も認める。けれどもこの主人公は狂いすぎてる。これは極端な例だと思う。
この著者はうつ病になったことある人なのかな?それともうつ病を分かったつもりで書いているのかな?(少なくともwikiには何も書かれてなかったけど)これが芥川賞候補になったなんて・・・。それこそうつ病に対して誤解を招くって。
たかだか小説じゃないか、といわれればそれまでだけど、やっぱり他人事じゃないのでこういう題目で書くのならばちゃんとしてものを書いて欲しいわ。
個人的な意見だけど、ムダにアンテナを張り巡らしていたギスギスしていた二十歳前後の自分を思い出して嫌になる。我侭で不安定で、全部人のせいにして。自我丸出しの頃には戻りたくないわ。