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- 作者: 白岩玄
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2004/11/20
- メディア: 単行本
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中々面白かった。2日で読めてしまった。こういうタッチの小説って漫画のようにスラスラ読めちゃうよね。読んですぐ「これって若い男の子が書いたような文章だなぁ」と思って著者を確認するとやっぱり年下(現在23歳ぐらい?)
個人的には好きな文章だけど、小説で「(笑)」はやめた方がいいと思う・・。会話部分の文章が分かりづらい。状況が読み取れないというか。
基本的に、好き嫌いわかれるかもなぁ。
主人公の修二がとても他人とは思えなかったなぁ・・。自分も高校生の頃はこういう風に割り切って生活してたから。専門的な学科で3年間同じクラス、同じメンバーという環境だった為
「今嫌われたら、学校で生活できなくなってしまう」という恐怖感が少なからずあった。
無難にグループで行動して、付かず離れずの関係を保とうとしていた。みんなに嫌われてた人には関わらないようにしたりとか。本音を吐くことも無く、ものすごく薄い友情関係だった。
実際、高校時代で連絡をとっている友達はたったの1人だわー・・。
でも、今、社会人として生活していてもこういう計算高く「自分を演じる」ってところは変わらないけれど。
そんなわけで修二の冷めた心理ってのは理解できる。でも、勿論彼のように「天才的な冷めた心」はもつことはできなかったけど。私なんかよりずっと頭のいい主人公。こういう頭のいい主人公はかなり好き。「デスノート」のライトに通じる雰囲気。
でも読んでいてとても「不安定」を感じた。きっといつかきっかけがあればこの安定は崩れてしまうっていう不安感。
面白さの反面、若い男の子の暗い内面もちゃんと書かれていて良かった。ただ、個人的には結末があっさりしすぎて納得行かないんだけどでも、久しぶりに面白い小説を読んだと思った。
おかげで仕事中の気分もよかった。
どうやらドラマ化されるそうだけど、確かに修二はジャニーズって感じ。でも、ちょっと内容変わるみたいだけどね。野ブタが、山Pってのはありえんしね・・・。