お稽古なさい。

Bランクの恋人

Bランクの恋人

初めて読んだ。平安寿子(たいらあずこ)。
短編の恋愛小説だったけれど私より年齢層上の対象かも。
心に響く文章も結構あったし、つまらないことも無かったけど、他の作品を読もうとは思わないなぁ。
一番良かったのはゲイが描かれた「利息つきの愛」。ゲイの友達って欲しい。(昔から思ってる)
以下は好きなセリフ。

>お稽古なさい。ひたすら舌に覚え込ませなさい。いったん必要が生じたとき、「愛してる」と自動的に出てくるように。


「わたしは絶対に、別れない。あたなとこの店は、わたしの生き甲斐なんだもの。誰にも渡さない」/アイラブユーならお任せを

本当に、「愛してるよ」よりも強力な口説き文句だと思った。あなたが生き甲斐、か。
この主人公の言ってるように、愛の言葉も口で良い慣れないと大事なところでも出てこないよな〜。私は見習わなきゃいかん。落語でも習おうか(そこじゃない)

「造作はどうしようもないけど、外見って気の持ちようでかなり変わってくるものだと思うのよね。(中略)気持ちって、顔に出るものじゃない。その点、はずれっ子たちは不細工な外見に負けてる気持ちが暗いオーラとなって、ますます情けない顔立ちになっちゃってるんだと思う」/はずれっ子コレクター

本当に納得。顔の作りは小奇麗でも酷い表情で街中を歩いてる人がたくさんいるのよね。
笑顔を勉強せよ。目指せ韓流スター(謎)

「ダメだよ、恋愛しなくちゃ。愛情を出し惜しみしてたら、自己愛だけですっからかんになるだけよ。あるだけ使いきれ。そうしたら、自分でも気付いてなかったタンス預金が出てくるんだから。そういうもんだよ。思い切り出せば、ちょこっとでも利息が入るしさ。ケチはダメ。ケチは、モテない。ゲイにもストレートにも。」/利子つきの愛

数年前までは私はケチだったんだと思う。
愛情を出し惜しみして、自己愛ばかりを育て上げて壁を作って自分を何とか保とうとしてた。ほろっと誰かを好きになったら、ほろっと別の誰かから好意を持たれたり。
相手にばかり求めちゃダメってことだよね。