読了

平成マシンガンズ

平成マシンガンズ

15歳位の少女が書いた小説。確かに文才っていうか、
よくもまぁこの若さでここまでのものが書けるなぁ
という印象はあるんだけれど、どうしても若手作家って、
こういうガガガガガ!と、まくし立てるような小難しい比喩的な言い回が多いんだろう。
あと、自我に渦巻いたような悶々とした雰囲気とか、
教室内での自己の確立とか家庭への嫌悪感とか、
逃げ場のさなとか、そういう鬱蒼とした感じが「お腹いっぱい」にさせる。


同年代の子や、まだ学生さんには共感する部分が多いのかも。
私にとっては過去の出来事であり、もう思い出したくない一部分だ。
読んでて、ちょっとナーバスになった。入り込みやすい人は注意。
日傘のお兄さん

日傘のお兄さん

日傘のお兄さん
豊島ミホ2作目。
個人的には「青空チェリー」より大ヒット!
これは現品購入したい。
短編集だが、どれも外れがない。


「バイバイラジオスター」、これまた胸キュン!!
あー、甘酸っぱい甘酸っぱい。
「すこやかなのぞみ」もとにかく素敵だった。キラキラしてた。
プラトニックというか、それ以上の心のつながりというか。素敵。
「愛しい」と思う気持ちが込み上げる。
「あわになる」、不思議な話だったけど、過去の好きな人をこうやって
会いに行くというのも何かいいわねぇ。センチメンタル。
「日傘のお兄さん」はいかにも小説チックな話だとは思うけど
なっちゃんがひたすらお兄さんの味方だという姿勢だったり
信じたいものを信じるという姿勢が単純に好きだった。


「ふしめがちな笑い方」というお兄さんの描写が恋人さんを思い出させた。
というより「この笑顔が好きだったな」っていうなっちゃんの心情が
恋人さんへ思っている自分の気持ちを思い起こさせたのかも。
とにかく満足満足。


正直、「青空チェリー」のときは「エッセイは好きだけど、小説は苦手かも・・・」
と思ったんだけど、これは本当によかった。
豊島の描く心理描写は暗さがなくて、いつでも安心して読める。
表現もストレートで小難しく書かれてることはなく、読みやすい。