読了
- 作者: 三並夏
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2005/11/25
- メディア: 単行本
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よくもまぁこの若さでここまでのものが書けるなぁ
という印象はあるんだけれど、どうしても若手作家って、
こういうガガガガガ!と、まくし立てるような小難しい比喩的な言い回が多いんだろう。
あと、自我に渦巻いたような悶々とした雰囲気とか、
教室内での自己の確立とか家庭への嫌悪感とか、
逃げ場のさなとか、そういう鬱蒼とした感じが「お腹いっぱい」にさせる。
同年代の子や、まだ学生さんには共感する部分が多いのかも。
私にとっては過去の出来事であり、もう思い出したくない一部分だ。
読んでて、ちょっとナーバスになった。入り込みやすい人は注意。
- 作者: 豊島ミホ
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/03/17
- メディア: 単行本
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豊島ミホ2作目。
個人的には「青空チェリー」より大ヒット!
これは現品購入したい。
短編集だが、どれも外れがない。
「バイバイラジオスター」、これまた胸キュン!!
あー、甘酸っぱい甘酸っぱい。
「すこやかなのぞみ」もとにかく素敵だった。キラキラしてた。
半プラトニックというか、それ以上の心のつながりというか。素敵。
「愛しい」と思う気持ちが込み上げる。
「あわになる」、不思議な話だったけど、過去の好きな人をこうやって
会いに行くというのも何かいいわねぇ。センチメンタル。
「日傘のお兄さん」はいかにも小説チックな話だとは思うけど
なっちゃんがひたすらお兄さんの味方だという姿勢だったり
信じたいものを信じるという姿勢が単純に好きだった。
「ふしめがちな笑い方」というお兄さんの描写が恋人さんを思い出させた。
というより「この笑顔が好きだったな」っていうなっちゃんの心情が
恋人さんへ思っている自分の気持ちを思い起こさせたのかも。
とにかく満足満足。
正直、「青空チェリー」のときは「エッセイは好きだけど、小説は苦手かも・・・」
と思ったんだけど、これは本当によかった。
豊島の描く心理描写は暗さがなくて、いつでも安心して読める。
表現もストレートで小難しく書かれてることはなく、読みやすい。